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◇◆ロレックス時計は、
なぜ高いのか?その秘密を探る◆◇

時計ケースや針とインデックス、そして自動巻きムーブメント
の素材へのこだわりは、使う人の立場に立った実用時計を
目指すという「時計製造への飽くなき追求」すなわちロレックス
の哲学から来ています。使う側に立った実用時計目指した
ロレックスの時計製造へのこだわりがあるから高級時計
すなわち高価な価値のある時計なのですね。

1 時計ケース製造へのこだわり
















ロレックスの時計ケースは、美しいケース仕上げで知られている
「パテックフィリップ」と同様に、鍛造によって作られています。
そのため、メンテナンスの度に研磨を繰り返しても、
形状が崩れず永久にケースのもとのままの形状を保っているのです。

鍛造が最高級の仕上げ方である所以(ゆえん)がそこにあります。
鍛造による造形では、金属の塊を削って形を作る切削と違い、
何度もプレス(2千トンのプレス圧)をして仕上げる
ことで
金属の密度が高くなり、堅牢で磨いた時にも美しく、
きめ細やかで滑らかな仕上がりになります。























時計メーカーでは一般的には切削でケース製作が
行われますが、切削は金属を削って作成しますので
金属の目は詰まりません。金属密度の非常に高い
鍛造ケースで、永久的に使い続ける事が出来る堅牢な
オイスターケースは、ロレックスのウォッチデザインを
支える柱となっているのです。

『ロレックスのステンレスは素材が非常に固いので
研磨作業が難しいんですが、磨き上げると非常に美しく、
まるで宝石のような輝きを放つクリアな仕上がりになります。
それに比べ他のブランドは素材が柔らかいものが多く、
磨きやすいのですが、何回も磨くとケースの形が変わって
しまうものが多いですね。』(アフターサービスの方の話)

2 素材へのこだわり













ロレックスで使われているステンレスは
スーパーステンレスと言われる【904Lステンレス】です。
時計用の素材として採用しているのは唯一ロレックスだけです。
導入時期は、モデルによってバラつきがありますが、
1990年代前半から徐々に切り替わり、
現在は、
全てのステンレスが904Lスチールになっています。
(904Lに切り替わる前は316Lを使用)

例えば堅牢な「パネライ」には、耐蝕性を高めた高級ステンレス
316Lが用いられています。316Lはクロムの含有量が18%と多く、
素材を錆や 腐食から保護する薄い膜「不動態皮膜」を形成します。


しかし、ロレックスではさらにクロム含有量(21%)が多く、
強度、腐食に強い904Lという窒素を含んだステンレス鋼を
使用しています。904Lは「二相ステンレス鋼」と呼ばれ耐蝕性
に優れるオーステナイト系ステンレスと、硬度に優れる
フェライト系ステンレスの両方の特徴を併せ持つ材質で す。
904Lは強度が非常に強く、316Lの2倍以上あります。

この904Lは、本来であれば化学装置の材料に使用される
素材なので、強い酸やアルカリにも侵されにくい優れた
ステンレスなのです。非常に高価な素材なので、他のメーカーが
使用するとコストが上がり、時計単価が非常に高くなってしまいます。
904Lステンレスを鍛造にて成形するには大型の
プレスマシンが必要です。その高額な設備投資をしてまでも
最高のものを作るというロレックスの「時計製造への飽くなき
追求」には感銘の念さえ覚えます。トップ ブランドとしての姿勢、
素材へのこだわりが伺えます。

3 針とインデックスへのこだわり






























超高級ブランドを除き、一般的な仕上げとして
針の素材の上にメッキを施し、錆や腐食を防いでいます。
しかし、ロレックスは、全ての時計にゴールド製の針・
インデックスを使用しています。そのため腐食に強く、
耐磁性にも優れているのです。

また、仕上げに手間をかけることで面が滑らかで針や
インデックスの縁がはっきりしており、立体的で美しい
仕上がりとなっています。その結果、より高い視認性を
確保でき、実用性と美しさも兼ね備えているのです。

4 自動巻きムーブメントへのこだわり

実際にオーバーホールを行うと、他のブランドと比べると
明らかにパーツ自体に厚みがあり、耐久性に優れています。
また、パーツは組みやすく、組んだだけである程度精度が
出せるのはロレックスだけです。

ローターが左右どちらに回転してもゼンマイを巻き上げる
自動巻き機構の「パーペチュアル」は、世界初のロレックス
の発明であり、1931年に特許を取得しました。一般的な
時計では摩耗しやすい切換え車(自動巻き機構の部品
のひとつ。腕の動きに合わせて左右に回転するローター
の動きから、ゼンマイを巻き上げるための一方向回転を
得るために、回転方向の切替を行っている歯車。)ですが、
ロレックスでは1960年代からリバーシングホイールの
素材をアルミニウムとし、アルミニウムに陽極酸化皮膜を
生成させるレッドアルマイト硬化処理することで、
軽量で非常に高い巻上げ効率を実現しています。
























改良を重ね、デイトジャストを中心にサブマリーナーや
ディープシーと言った最新モデルにも搭載されるCal.3135は、
20年以上たった現在においても時計業界で最も優れた
ムーブメントと評価されています。このようにロレックスの
ムーブメントの凄いところは、年々進化するところにあります。
ムーブメントの発表後も改良を行い、さらに良いムーブメント
にしていこうという姿勢が伺えます。

また、ロレックスのムーブメントは非常に美しい仕上げと
なっています。部品のほとんどは錆や腐食を防ぐロジウム
メッキ処理をされ、ぺルラージュ仕上げ(パテックやバセロン
コンスタンチンなどの高級時計メーカーが行う同心円状の
美しい仕上げ方)とサンブラッシュ仕上げを組み合わせた
装飾がされています。

5 精度へのこだわり


















ロレックスの高精度は、マイクロステラ・ナットと
巻上げヒゲゼンマイに支えられています。

ロレックスが定める日差 (誤差) の管理基準は、
「日差-1秒~+10秒」 です。1ヶ月の場合は×30。
(新品購入後2年の保障期間内で日差がこの基準を
外れれば、無料で調整してもらえます。
保証期間外でも、5000円の費用で調整してもらえます。)


ロレックスは、精度において最も優れた時計メーカー
と言われています。 自動巻のモデル全が
スイス公認クロノメーター検査協会の認定受け、
文字盤にはそれを示す
「SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED」
の表記がされています。クロノメーターは、
15日間にも及ぶ厳しい精度検定に合格したものだけ
に与えられる称号なのです。

では、なぜこのような精度が
ロレックスでは保てるのでしょうか。

「フリースプラング・テンプの採用」

ロレックスのテンプは、緩急針と呼ばれる精度を調整
する針がないフリースプラング・テンプを採用しています。

フリースプラングにするメリット
・1秒間に8振動という高速振動を行う精度の要である
ヒゲゼンマイに直接触れるものが無く、摩擦による
ヒゲゼンマイの劣化が防げます。
・ 外的ショックが加わった際、本来触れているものが
無いのでヒゲゼンマイを痛める事がなく、
耐衝撃性に優れます。
フリースプラング・テンプは現在では最も完成された
システムと言われています。

「マイクロステラ・ナット」















ロレックスに使用されるテンワは直径約10mm。
他のブランドに比べ大きく、振動や衝撃に対して
影響を受けにくい仕様となっています。テンワ(金色の輪)
の内側に大小1対ずつの4つの重りを指します、
ナット状のゴールド製スクリューを回し、それぞれの
比重を変えることで高精度の微調整を行っています。
マイクロステラ・ナットが、テンワの内側に備え付け
られているわけは、高速振動状態のテンプの
空気抵抗が小さく、影響が少ないので、
精度が安定しやすいためです。

「巻き上げゼンマイ」












巻上げヒゲゼンマイは、高精度を維持するための
非常に重要なパーツですが、製作には高い工作精度と
コストがかかり大量生産には向きません。
パテックフィリップやランゲ&ゾーネなどの高級メーカー
に使用されている程度です。
しかし、従来の巻上げヒゲゼンマイでは精度の安定は
十分でしたが、素材の関係上、磁界の影響が受けやすい
性質を持っていました。そのためロレックスは5年にも
及ぶ研究期間を経て2005年にブルーのパラクロム製
ヒゲゼンマイを開発。同年に発表された
新型GMTマスターⅡに初めて採用され、
現在では多くの ムーブメントに装備されています。

「パラクロム・ヒゲ ゼンマイ」

パラクロム・ヒゲ ゼンマイはニオブを主材料とし、
ジルコニウム、ハフニウム等で構成された合金です。
温度変化に強く、耐磁性に優れ、高い復元力により
衝撃を受けた際の影響 が少ないのが特徴で、
従来のヒゲゼンマイに比べて約10倍の耐衝撃性を
備えています。色は美しいブルーですが、
美的なものではなく、耐久力を向上させる為
の焼による酸化膜です。

レアメタルであるニオブは銀色の金属で、ニオブを混ぜた
鋼材は、耐熱性に優れ、衝撃にも強い一種の
形状記憶合金で、スペースシャトルや石油のパイプライン
などに使用されています。ジルコニウムもまたレアメタル。
銀白色の金属で、表面には大量の酸素や窒素を
吸着させることができます。酸化膜や窒化膜が形成
されたジルコニウムは耐蝕性が強く、
ほとんどの化学物質と反応せず、耐熱性(融点:1852℃)
もあるので、医療機器や電子材料に使用されています。

100年以上の歴史の中で、腕時計界に数々の技術的
な革命をもたらし、様々な機能的な進化を重ね続
けてきたブランド ロレックス。機械式腕時計の代表格として
も語られるロレックスの時計は、技術者たちのテクニカルな
視点で見ても、精度が高く、高品質であり、今でも進化を
続けている素晴らしい時計なのです。(資料 エバンス参照)

※時計用語解説

緩急針(ヒゲゼンマイを挟んでいるヒゲ棒を左右
にスライドさせるレバーのこと。ヒゲゼンマイの長さを
微調整することができ、時計の進みや遅れなどの
精度を調整するときに使用される。)

テンプ(ムーブメントの調速装置。テン輪、テン真、
ヒゲゼンマイなどの部品で構成されている。)

切換え車(自動巻き機構の部品のひとつ。腕の動き
に合わせて左右に回転するローターの動きから、
ゼンマイを巻き上げるための一方向回転を得るために、
回転方向の切替を行っている歯車。)